「糖尿病ってよく聞くけど、実際どんな病気なんだろう?」
「血糖値が高いと言われたけど、すぐ治療が必要なの?」
そんな疑問や不安を感じて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
糖尿病は、決して一部の人だけの病気ではありません。
食生活や運動不足、年齢の影響など、誰にでも起こり得る身近な病気であり、
初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多いのが特徴です。
その一方で、
「放置すると怖い病気」というイメージが先行し、
必要以上に不安になってしまう人も少なくありません。
この記事では、
糖尿病についての基礎知識を、専門用語をできるだけ使わずに整理し、
- 糖尿病とはどんな状態なのか
- なぜ起こるのか(原因)
- どんな症状があるのか
- 放置するとどうなるのか(合併症)
といったポイントを、初めて調べる人にも分かる形で解説していきます。
「まだ病院に行くほどではないかも…」
「まずは正しく知りたい」
そんな段階の方でも安心して読める内容になっていますので、
気になるところから読み進めてみてください。
糖尿病とはどんな病気?
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高い状態が慢性的に続く病気です。
一時的に血糖値が上がること自体は誰にでも起こりますが、糖尿病では「下げる仕組み」がうまく働かなくなり、長期間にわたって高血糖の状態が続いてしまいます。
初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多く、「気づいたときには進行していた」というケースが少なくありません。
そのため、糖尿病は静かに進行する慢性疾患とも言われています。
血糖値が高い状態が続く病気
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を数値で表したものです。
食事をすると糖質が分解されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれることで血糖値は上昇します。
健康な状態であれば、食後に血糖値が上がっても自然に元の範囲へ戻ります。
しかし糖尿病では、この調整がうまくいかず、
- 空腹時でも血糖値が高い
- 食後の血糖値がいつまでも下がらない
といった状態が慢性的に続くようになります。
一時的な高血糖(食べすぎ・飲みすぎ・強いストレスなど)と違い、糖尿病は「高血糖が日常的に続く」点が大きな違いです。
インスリンの働きと糖尿病の関係
血糖値を下げるために重要な役割を果たしているのが、すい臓から分泌されるホルモン 「インスリン」 です。
インスリンには、
- 血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる
- 血糖値を適正な範囲に保つ
という働きがあります。
糖尿病では、このインスリンに問題が起こります。
- インスリンが十分に分泌されない
- 分泌されていても効きが悪くなる(インスリン抵抗性)
このどちらか、または両方が起こることで、血液中のブドウ糖が処理されず、高血糖の状態が続いてしまうのです。
糖尿病の主な種類
糖尿病と一口に言っても、原因や特徴によっていくつかの種類に分かれます。
それぞれ成り立ちが異なるため、治療や向き合い方も変わってきます。
1型糖尿病の特徴
1型糖尿病は、比較的若い年代に発症することが多い糖尿病です。
主な原因は 自己免疫の異常 とされており、体の免疫が誤ってすい臓の細胞を攻撃してしまいます。
その結果、
- インスリンがほとんど、または全く分泌されなくなる
という状態になります。
生活習慣(食べすぎ・運動不足など)が直接の原因ではなく、誰にでも起こりうる病気という点が特徴です。
2型糖尿病の特徴(最も多い)
日本人の糖尿病の大部分を占めているのが 2型糖尿病 です。
2型糖尿病では、
- インスリンの分泌量が少なくなる
- インスリンの効きが悪くなる
といった状態が徐々に進行していきます。
食生活の乱れ、運動不足、肥満、遺伝的要因などが重なって発症することが多く、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため、
- 健康診断で指摘されて初めて気づく
- 何年も放置してしまう
といったケースも珍しくありません。
その他の糖尿病(妊娠糖尿病など)
糖尿病には、1型・2型以外にもいくつかのタイプがあります。
代表的なのが 妊娠糖尿病 です。
これは妊娠中に血糖値が高くなる状態で、多くの場合は出産後に改善します。
ただし、妊娠糖尿病を経験した人は、
- 将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高くなる
ことが分かっており、出産後も継続した体調管理が重要になります。
糖尿病の主な原因
糖尿病は「甘いものを食べすぎた結果なる病気」と誤解されがちですが、実際には複数の要因が重なって発症・進行する病気です。
生活習慣だけでなく、体質や年齢、ストレス、服用している薬の影響なども関係しており、「誰でもなり得る可能性がある」という点が特徴です。
ここでは、糖尿病の発症に関わる主な原因を、分かりやすく整理していきます。
生活習慣が関係する要因
糖尿病、とくに2型糖尿病の発症に深く関係しているのが、日々の生活習慣です。
積み重ねによる影響が大きいため、自覚がないままリスクを高めてしまっている人も少なくありません。
食生活の乱れ
糖質や脂質の多い食事が続くと、血糖値が急上昇・急降下しやすくなります。
特に、白米・パン・麺類・甘い飲み物などを中心とした食生活は、インスリンに大きな負担をかけます。
食事の量だけでなく、「食べるタイミング」「早食い」なども血糖値に影響します。
運動不足
筋肉は血糖を取り込む役割を持っています。
運動量が少ない状態が続くと、血糖が消費されにくくなり、血液中に糖が余りやすくなります。
デスクワーク中心の生活や、移動が少ない生活スタイルは、知らないうちに糖尿病リスクを高めます。
肥満との関係
内臓脂肪が増えると、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が起こりやすくなります。
必ずしも見た目が太っていなくても、内臓脂肪型肥満の場合は注意が必要です。
体質・遺伝の影響
糖尿病は生活習慣だけでなく、生まれ持った体質や遺伝的要因も関係します。
家族歴がある場合
両親や兄弟に糖尿病の人がいる場合、糖尿病になりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。
同じ生活をしていても、血糖値が上がりやすい人・そうでない人がいるのは、この体質の違いが一因です。
日本人が糖尿病になりやすい理由
日本人は欧米人と比べて、もともとインスリンの分泌量が少ない傾向があります。
そのため、食生活の欧米化や運動不足の影響を受けやすく、比較的軽い肥満でも糖尿病を発症しやすいとされています。
ストレス・加齢・薬剤の影響
生活習慣や体質に加えて、年齢や環境要因も糖尿病の発症に関与します。
ストレスホルモンとの関係
強いストレスを受けると、血糖値を上げるホルモン(コルチゾールなど)が分泌されます。
慢性的なストレス状態が続くと、血糖値が高い状態が続きやすくなります。
年齢とともに増える理由
加齢により、インスリンの分泌量や効き目は徐々に低下します。
若い頃と同じ食事・運動量でも、血糖値が上がりやすくなるのはこのためです。
一部の薬が影響するケース
ステロイド薬など、一部の薬は血糖値を上げる作用を持っています。
治療のために服用している薬が、間接的に糖尿病の引き金になることもあります。
糖尿病の初期症状と気づきにくさ
糖尿病が怖いとされる理由の一つが、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。
症状が出たときには、すでに病気が進行しているケースも少なくありません。
初期はほとんど症状が出ない
糖尿病の初期では、血糖値が高くなっていても体に大きな変化を感じにくいのが特徴です。
健康診断で指摘されるケース
多くの人は、健康診断や人間ドックで「血糖値が高い」「HbA1cが基準値を超えている」と指摘されて初めて気づきます。
自覚症状がないため、「様子見」で放置してしまう人も少なくありません。
「なんとなく不調」で終わりやすい
疲れやすい、だるい、集中力が落ちたといった症状があっても、仕事や年齢のせいだと考えてしまいがちです。
この段階で気づきにくいことが、糖尿病の進行を招く原因になります。
進行すると現れやすい症状
血糖値が高い状態が続くと、徐々に体に変化が現れてきます。
喉の渇き・多尿
血糖値が高くなると、体は余分な糖を尿として排出しようとします。
その結果、尿の量が増え、強い喉の渇きを感じやすくなります。
体重減少・疲れやすさ
糖をうまくエネルギーとして使えなくなるため、体重が減ったり、常に疲労感を感じたりすることがあります。
目のかすみ
高血糖により、目のレンズの調整機能に影響が出ることがあり、一時的に視界がぼやけることがあります。
自分が糖尿病かどうか気になるという方は意外と多いですよね。糖尿病の初期症状やセルフチェックについて解説している記事もあるので、ぜひご覧ください。

糖尿病を放置すると起こる合併症
糖尿病は「血糖値が高いだけの病気」と思われがちですが、本当に怖いのは 高血糖の状態が長く続くことで、全身の血管や神経が静かに傷ついていく点 です。
症状がほとんどないまま進行し、気づいたときには合併症が出ていた というケースも少なくありません。
糖尿病になる人に、どんな合併症が多いのかについて詳しくまとめている記事もあるのでぜひ参考にしてください。
代表的な三大合併症
糖尿病の合併症として特に知られているのが、いわゆる「三大合併症」です。
いずれも 細い血管や神経が障害されること が原因で起こります。
- 糖尿病網膜症
目の網膜にある毛細血管が傷つくことで、視力低下や失明につながることがあります。
初期は自覚症状がほとんどなく、定期的な眼科検査で初めて見つかるケースも多い合併症です。 - 糖尿病腎症
腎臓の血管が障害され、老廃物をろ過する機能が低下します。
進行すると人工透析が必要になることもあり、日本では透析導入の原因として上位を占めています。 - 糖尿病神経障害
手足のしびれ、感覚の鈍さ、痛みなどが起こります。
小さなケガに気づきにくくなり、傷が悪化しやすくなる点も問題です。
動脈硬化・心血管系への影響
糖尿病は、全身の血管を傷つけやすい状態を作ります。
その結果、動脈硬化が進みやすくなる ことも大きなリスクです。
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 狭心症
といった 命に関わる疾患のリスクが高まる ことが分かっています。
特に高血圧や脂質異常症を併発している場合は、
血管へのダメージが重なり、リスクはさらに上昇します。
ED(勃起障害)との関係
糖尿病の合併症として、ED(勃起障害) が起こることも珍しくありません。
勃起は、
- 血管が十分に拡張すること
- 神経からの信号が正常に伝わること
この2つがそろって初めて成り立ちます。
糖尿病によって 血管障害や神経障害が進行すると、勃起に必要な仕組みがうまく働かなくなる のです。
実際、
「糖尿病を指摘されてしばらくしてからEDの症状が出てきた」
という男性は少なくありません。
EDは命に関わる症状ではありませんが、生活の質(QOL)に大きく影響する合併症の一つ といえます。

糖尿病の検査と診断方法
糖尿病は、自覚症状が乏しいことが多いため、検査によって初めて気づく病気 でもあります。
定期的な健康診断や、医療機関での検査が重要です。
健康診断でよく使われる検査
まず、多くの人が最初に指摘されるのが健康診断です。
- 血糖値
採血時点での血液中の糖の量を測定します。
空腹時かどうかによって基準値は異なります。 - HbA1c(ヘモグロビンA1c)
過去1〜2か月の血糖値の平均的な状態を反映する指標です。
一時的な血糖値の上下に左右されにくく、診断や治療の目安として重視されます。
病院で行われる追加検査
健康診断で異常を指摘された場合、医療機関でより詳しい検査が行われます。
- 空腹時血糖
一定時間食事を取らずに測定し、基礎的な血糖値を確認します。 - ブドウ糖負荷試験(OGTT)
ブドウ糖を飲んだ後、血糖値がどのように変化するかを調べる検査です。
境界型糖尿病や初期の異常を見つけるために行われることがあります。
これらの検査結果を総合的に見て、糖尿病かどうか、どの程度進行しているか が判断されます。
糖尿病の治療方法
糖尿病の治療は、数値を下げることだけが目的ではありません。
合併症を防ぎ、日常生活をできるだけ健康に保つことが大切です。
生活習慣の改善が基本
多くの糖尿病治療では、まず生活習慣の見直しから始まります。
- 食事療法
食べ過ぎを防ぎ、栄養バランスを整えることが基本です。極端な制限ではなく、継続できる内容が重視されます。 - 運動療法
ウォーキングなどの軽い有酸素運動でも、血糖値の改善に効果があります。
薬物療法・インスリン治療
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合、薬による治療が行われます。
- 内服薬
血糖値を下げる仕組みの異なる薬が複数あり、状態に応じて選択されます。 - インスリン治療
インスリンの分泌が不足している場合や、血糖コントロールが難しい場合に必要となります。
治療内容は一人ひとり異なり、医師と相談しながら調整していきます。
糖尿病の治療は少しでも早い方が良いです。それは、合併症が多いというのも理由の一つ。診断されたら治療が面倒だからと思わずに、糖尿病の治療法についてもぜひ一度ご覧ください。

糖尿病は早めに向き合うほどコントロールしやすい
糖尿病は「治らない病気」と言われることもありますが、早い段階で向き合えば、十分にコントロール可能な病気です。
初期対応で将来が大きく変わる
早期に対処することで、
- 合併症のリスクを下げられる
- 薬に頼らず生活改善だけで管理できる可能性が高まる
- 将来の医療負担を軽減できる
といったメリットがあります。
「数値を完璧にする」よりも、「安定して管理する」という考え方が重要です。
初期であれば、糖尿病予防の食生活をするだけでも良い場合も多いです。

気になる場合は早めに医師へ相談を
少しでも気になる場合は、
- 自己判断で放置しない
- インターネットの情報だけで決めつけない
- まずは検査を受けて現状を知る
ことが大切です。
相談するだけでも、今後どう向き合えばいいかが見えてきます。
糖尿病は「知ること」が第一歩
- 糖尿病は血糖値が高い状態が続く慢性疾患
- 初期は症状が出にくく、放置すると合併症のリスクが高まる
- 生活習慣・体質・年齢など複数の要因が関係している
- 早期発見・早期対応が将来の健康を大きく左右する
「まだ大丈夫」と思っているうちに進行してしまうのが糖尿病の怖さです。
まずは正しく知ること、そして必要であれば早めに行動することが、健康を守る第一歩になります。
